仕掛品は同じ置場にあるのに、待っている理由は違う

2026-10-22

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仕掛品は同じ置場にあるのに、待っている理由は違う

組立工程の前に三台の台車があります。一台は次の作業待ち、一台は検査結果待ち、もう一台は手直し指示待ちです。位置画面では同じ置場にある仕掛品でも、連絡する相手と必要な行動は違います。

工程間の待ちを調べるには、どこにあるかと、なぜ止まっているかを分けます。位置記録は調べる対象を絞れますが、加工中か待機中かを単独で証明するものではありません。最初は一つの置場で、引き渡しに必要な記録を合わせるところから始めます。

I. 製品・ロット・台車のどれを追うか決める

台車に付けたタグが追うのは台車です。複数のロットが混載されたり、一部の部品が別容器に移されたりすると、台車履歴が各製品の履歴とは限らなくなります。製品番号、ロット番号、容器番号、タグ番号の対応を、開始と終了の時刻とともに定義します。

日本の多品種組立工場を想定するなら、一台から一部のトレーだけを次工程へ移す場面を試験に入れます。移した数量、移動先容器、残った数量を確認します。新しい割り当てで以前の対応を上書きせず、どの期間に何を載せていたかを残すことが重要です。

記録 分かること 別に必要な根拠
タグのエリア観測 台車を観測した場所と時刻 積載したロットと数量
エリア内の滞在 進入の根拠がある滞在区間 加工と待機の内訳
確認済みの待ち理由 担当者が確認した状態と次の行動 状態の出所と適用期間

長い滞在は調査対象を選ぶ手掛かりです。原因を決めるにはロット対応と作業状態が必要になります。記録を分けておけば、位置の欠落、対応番号の不足、実際の工程遅れを別々に調べられます。

II. 滞留と作業状態を分ける

エリアへの進入と退出から滞在区間を確認できます。しかし作業台と待機場所が同じエリアなら、加工時間も含まれます。準備、作業、検査保留、搬送待ちを物理的に区別できるか確認し、難しい場合は作業開始・終了記録を別に使います。

待ち理由は次工程準備、品質判断、資材不足、設備停止、計画保留、未確認など、担当者が確かめられる項目にします。理由を入力した時刻と実際にその状態になった時刻も区別します。後から入力した一つの理由で、過去の全滞在を説明したことにしないようにします。

III. 生産記録との対応を確かめる

ORBRO RTLS Managerは位置監視や機器設定・履歴の確認を支援します。製造指示や検査結果を結び付けるには、実際の生産システムの識別番号、利用できる項目、更新方法を確認します。台車が到着しただけで実績が確定する構成と考えないことが必要です。

資産番号、ロット、エリア、観測時刻、状態記録の出所と適用時刻を整理します。番号不一致や更新遅れは未確認一覧に残し、手動で補った場合は確認者と根拠を記録します。記録の照合と工程の自動完了は異なる要件です。

IV. 同じ条件の仕掛品から確認する

経路や取扱条件が似た対象を比較します。予定された検査保留と、すぐ搬送すべきロットを同じ基準で並べると優先順位がずれます。進入時刻が分かる対象だけ滞在を計算し、進入不明や集計終了時点でも残っている対象は分けて表示します。

実物確認後は理由、担当部署、次の行動を残します。位置が変わっただけで問題解消にせず、別の置場へ移ったのか、本当に加工が始まったのかを生産記録で確かめます。小さな現場では記録用紙で補完してもよいですが、入力の出所を保ちます。

V. 分割と手直しを含めて試す

通常搬送、ロット分割、前工程への手直し戻り、タグ付き空台車、観測欠落を試験します。各場面で残るべきロット、数量、場所、状態を先に決め、実物と生産記録、位置履歴を照合します。

たとえばトレーを二つに分け、一方だけ検査保留にした場合、台車一台の状態では説明できません。分割後の容器番号と数量を残し、保留解除を誰が確認するか決めます。担当者がまだ理由を確かめていない段階は、一般的な待ち理由で埋めず未確認にします。日次の打ち合わせでは長い滞在の順位だけでなく、理由の未確認、次の担当、確認期限を見ます。そうすることで一覧が現場の次の行動につながります。

VI. 一回の滞在の中で理由が変わる場合も残す

想定した多品種組立工場で、一つのロットが検査結果を待ち、解除後は搬送を待つ場合を考えます。台車は動かなくても担当部署と次の行動は変わります。検査解除と搬送依頼の時刻を残し、根拠のない間の時間を一方の部署の待ちとして割り当てません。後から理由を入力した場合は、実際の開始時刻を判断した根拠も必要です。

導入時は一つの置場と代表品目から始め、日々の一覧に位置、ロット・容器、確認理由、次の担当者、再確認時点を並べます。情報のない仕掛品は削除せず未確認に残します。対象外が増えたために一覧が短くなった状態と、工程が進んだ状態を区別するためです。

おわりに

同じ置場の三台の台車でも必要な行動は異なります。台車とロットを対応させ、滞在区間に確認済みの作業状態を結ぶことで待ちの理由を説明できます。一つの滞在中の理由変更と未確認区間も残し、次工程で誰が何をするかにつなげます。

交代時には未確認ロット、分割数量、遅れて入力された理由を引き継ぎます。待ち一覧が減っても、追跡対象外が増えていれば改善とは判断できません。対象数と確認できる範囲をそろえて評価します。工程図とロット・容器の対応方法をまとめてORBROに相談すると、必要な追跡範囲を検討できます。