協力会社の安全管理、作業員がいつ入りどこで働いたかを記録に残す方法

2026-10-02

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協力会社の安全管理、作業員がいつ入りどこで働いたかを記録に残す方法

午後2時、元請の安全担当者が安全パトロールの点検表を持って、第3工場の補修エリアに入ります。協力会社の安全管理の点検表には「作業人数」の欄があり、朝に受け取った作業計画書には、このエリアの投入人数が書かれています。ところが、目の前で働いている人の数が計画書と合いません。

抜けた人は資材を取りに出たのかもしれず、休憩室にいるのかもしれず、隣の設備エリアに入ったのかもしれません。点検表の欄に入るのは、いまこの場所で数えた数字だけです。担当者が着く前の午前と、去ったあとの時間は、欄の外にあります。

元方事業者に求められる作業間の連絡調整や作業場所の巡視、協議の場の運営も、現場では結局同じ問いに戻ってきます。協力会社の作業員がいつ入り、どこで、どれだけ働いたかです。

この記事では、その問いを正門、作業区域、危険区域、避難時の人数把握の四つの地点に分けて、書類で足りることと記録が必要なことを切り分けます。

I. 協力会社の安全管理、労働安全衛生法の条文にある元方事業者の仕事

労働安全衛生法は、一の場所で行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせている事業者を元方事業者と呼び、その仕事が数次の請負契約で行われるときの後次のすべての請負人を含めて関係請負人と呼びます。元方事業者のうち、建設業など特定事業を行う者が特定元方事業者です(第15条)。第29条は、関係請負人とその作業従事者がこの法律や命令の規定に違反しないよう元方事業者が必要な指導を行い、違反していると認めるときは是正のため必要な指示を行うよう定めています。現行の条文は、措置の対象を労働者に限らず「作業従事者」として書いています。改正の経緯と施行スケジュールは、労働安全衛生法改正2026を扱った記事にまとめています。

特定元方事業者には、第30条が講ずべき措置を並べています。協議組織の設置と運営、作業間の連絡と調整、作業場所の巡視、関係請負人が行う安全衛生教育への指導と援助、建設業での工程と機械・設備の配置の計画などです。製造業の元方事業者には、第30条の2が作業間の連絡と調整を行うことに関する措置その他必要な措置を求めています。化学設備の改造や清掃などで設備を分解したり内部に立ち入ったりする仕事の注文者は、その物の危険性・有害性や作業上の注意事項、講じた措置、流出などの事故のときの応急措置を書いた文書を作り、請負人が作業を始めるまでに交付します(第31条の2、労働安全衛生規則第662条の3・第662条の4)。

頻度も規則が決めています。特定元方事業者は、すべての関係請負人が参加する協議組織の会議を定期的に開き(労働安全衛生規則第635条)、作業間の連絡と調整を随時行い(第636条)、作業場所の巡視を毎作業日に少なくとも一回行います(第637条)。製造業の元方事業者も作業間の連絡と調整を随時行い(第643条の2)、火災などの場合に行う警報を統一的に定めて関係請負人に周知させます。警報が行われたときは、元方事業者と関係請負人が、危険がある区域から必要な者以外を退避させます(第643条の6)。厚生労働省の「製造業における元方事業者による総合的な安全衛生管理のための指針」は、関係請負人と協議を行う場を設けて定期的に開くことや、作業場所を定期的に巡視することも示しています。

協力会社の安全管理として条文に書かれた仕事は、すべて人が行います。集まって協議し、現場を回り、作業のあいだを調整し、警報と退避の段取りを決めておきます。記録は、その人が判断するときに手元に置く資料です。

II. 正門、入構の台帳のあとに残る協力会社の入退場記録

協力会社の安全管理では、人員を記録のしかたによって二つに分けます。毎日同じ人が来る常駐の人員と、工事や整備の日程によって顔ぶれが変わる人員です。

常駐の人員は、ORBRO OSのアプリのうちAccessで管理できます。Accessはモバイルで入退室するアプリで、入退室の記録には時刻、機器、ユーザー、グループ、入退室ポリシーが残り、ダウンロードできます。入退室の状況は、人ごとの最初の入室時刻と最後の入室時刻、そのあいだの滞在時間、入退室の回数を日付ごとに示します。協力会社ごとにグループを作っておけば、会社単位で絞り込んで見られます。

条件が一つあります。Accessの入退室の対象は、管理者設定でメールアドレスや携帯電話番号で登録したORBROアカウントのユーザーです。Accessの画面から人を直接作ることはできず、IDとパスワードで作ったローカルアカウントは対象になりません。日ごとに変わる人員を、そのたびにこうして登録するのは難しいのが実情です。

そこで、変わる人員には正門でタグを渡します。守衛室に協力会社のカテゴリで登録した社員証型タグを置き、貸出台帳に会社名と氏名、タグ番号を一行で書きます。台帳が受け持つのは人とタグの組み合わせで、時刻は記録が受け持ちます。区域を描いた事業場の中で、そのタグが最初に捉えられた時刻と最後に捉えられた時刻が残るからです。

III. 作業区域と危険区域、協力会社のカテゴリで分けて残す記録

ORBRO OSでは、タグはカテゴリでまとめられます。協力会社のカテゴリを別に作っておけば、同じ区域に自社の社員が混ざっていても、協力会社の人員だけを選んで数え、警告できます。

Zone Countingは、図面に描いた作業区域ごとに協力会社の人員がいま何人いるかを数え、時間による変化をグラフで残します。点検表の「作業人数」の欄に入る数字を、出発前に先に見ることになります。Timelineは、タグ一つが一日のあいだにどの区域にいつあったかを時間の順に示し、Excelでダウンロードして区域ごとの滞在時間を整理できます。欄の外にあった午前が、ここに残ります。

危険区域には通知をかけます。Alert Zoneは、協力会社カテゴリのタグが区域に入った瞬間に通知を出し、発生の記録をExcelで残します。現場責任者の携帯電話まで届かせる必要があれば、立入りが制限された区域のZone Countingに「協力会社の人員1人以上」のような条件をかけてSOPにつなぎます。条件が満たされるとSOPが生成され、SMS送信をオンにしておけば、担当グループのうち携帯電話番号が登録されたユーザーにSMSが届きます。担当者は近くのカメラの確認から手順を進め、SOPの記録には発生と終了の時刻、位置、担当者が残ります。

設計の条件も、はっきりさせておきます。位置には分解能があるので、危険区域の境界は実際の危険範囲より余裕をもって描きます。金属設備が密集した区域は、アンカーの配置を別に設計します。タグを置いたまま入った人は記録されないので、着用のルールが先です。

ここで反論が出ます。巡視をきちんと行えば済むのであって、記録まで要るのか、というものです。巡視は人が現場を見て判断する仕事で、記録が代わるものではありません。ただ、点検者が見るのは到着した瞬間の場面です。条文で巡視の回数が決まっている特定元方事業者でも、それは毎作業日に少なくとも一回で、巡視と巡視のあいだの出来事は点検表に残りません。今日、協力会社の人員がどの区域に集まっているかを知って出発すれば、巡視の動線も変わります。

IV. 避難時の協力会社の点呼、四つの地点を一つの表に

警報が鳴ったら、協力会社の人員は三つの数字で照らし合わせます。今日貸し出してまだ回収していないタグの数、集結場所に着いた協力会社のタグの数、そしてその差です。前の数は貸出台帳から、後の数は集結場所の区域にかけたZone Countingから出てきます。足りないタグは図面で集結場所の外の位置を探し、信号が捉えられないタグはTimelineで最後に記録された区域を確かめます。その区域へ探しに行くのは、人です。

避難訓練のときにこの三つの数字を照らし合わせておけば、貸出台帳と集結場所の集計が食い違う地点が、非常時の前に見えてきます。重機が一緒に動く建設現場の構成は、ORBROの建設現場の作業者衝突検知で見ることができます。

四つの地点を一つの表にまとめると、こうなります。

地点 書類で足りること 記録が必要なこと ORBRO OSで使うアプリ
正門 入構の台帳、教育の確認書類、タグの貸出台帳 出た時刻、事業場の中にとどまった時間 Access, Timeline
作業区域 作業計画書、協議の場の議事録 会社ごとの人員の区域別の滞在時間 Zone Counting, Timeline
危険区域 立入制限の表示、作業手順書 入った瞬間、通知を受けた人、対応の時刻 Alert Zone, SOP
避難時 緊急連絡網、避難訓練の計画 集結場所に着いた人数、来ていないタグの位置 Zone Counting, Timeline

表の書類の欄は消しません。書類は前もって決めた計画で、記録は今日の現場で実際に起きたことです。

V. 協力会社の安全管理の記録、導入前に決めておく五つのこと

  1. アカウントで入る人とタグを受け取る人。常駐の人員でも、危険区域と集結場所の集計に入れるには、タグを一緒に着ける必要があります。
  2. タグを貸し出して回収する人。正門の守衛室か会社の現場責任者か、戻らなかったタグを誰がいつ確かめるかを決めます。保管箱は区域の外に置いておけば貸出前の時間が記録に混ざらず、電池残量はDevice Managerで見ます。
  3. 記録の単位。記録は作業区域の単位で設計し、区域は元請の事業場の中にだけ描きます。正門でタグを回収すれば、その人の記録もそこで止まります。
  4. 通知を受ける人。元請の安全チームと会社の現場責任者をグループにし、携帯電話番号が登録されているかを確かめます。作業間の連絡と調整は、製造業の元方事業者が随時行うよう求められている措置でもあります(労働安全衛生法第30条の2、労働安全衛生規則第643条の2)。
  5. 記録を持ち出して使う場。協議の場の会議、巡視の動線、避難訓練のあとの振り返りのように、記録を持っていく場を先に決めれば、描くべき区域と条件が減ります。

おわりに

次の巡視の日も、担当者は点検表を持って補修エリアへ向かいます。「作業人数」の欄も、そのままです。変わるのは、出発前に見る画面です。そのエリアにいま協力会社の人員が何人いるか、午前にどのタグがどの区域を通ったか、危険区域の通知があったかを見てから向かいます。欄の外にあった時間が、記録として残ります。

ORBROはタグとアンカーのTwinTracker、管制ソフトウェアORBRO OS、カメラ映像からイベントを捉えるAI Event Managerを自社で作っています。そのため、協力会社の人員の位置と危険区域のカメラを、一枚の図面の上で一緒に見られます。協力会社の人員の規模と正門の運用のしかた、危険区域の一覧を教えていただければ、アカウントで管理する人員とタグを渡す人員、区域の設計を、協力会社の安全管理の実情に合わせて一緒に切り分けます。