医療機器は見つかった。でも使用できる?位置と準備状況を分ける管理
2026-10-07
共用機器を探すと、画面には保管室と表示されます。しかし取りに行くと点検待ちで、次の部署へ渡せません。探す時間が短くなっても、準備状況が分からなければ担当者は再確認することになります。
病院の医療機器管理では、場所と使用可能状態を別の項目として扱います。位置が分かることは、機器が使用できることを意味しません。
I. 位置情報で探す対象を絞る
ORBROの病院医療機器位置管理は、登録したタグの検知エリアと移動履歴を確認する構成です。資産番号とタグIDを対応させ、必要な機器がある病棟や保管室を探す手掛かりにします。
最後の検知時刻も確認し、古い情報を現在位置と区別します。タグを付け替えた場合は対応台帳を更新します。
II. 返却確認と使用可能判定を分ける
保管室に戻っても、清掃、点検、確認作業が残っている場合があります。「使用中」「返却確認」「準備中」「使用可能」「点検対象」などの基準を院内手順に合わせ、更新担当者を決めます。
位置情報は到着を確認する材料です。清掃完了と再使用の可否は担当者が既存の院内手順で確認します。保管室にいるという理由だけで臨床上の適合性を判断しません。
III. 申し送りには未完了の理由を添える
交代時には機器番号、最終検知エリア、準備状況、残っている作業と次の対応を共有します。病棟で継続使用する機器は回収待ちと分けます。
定期点検の対象は、点検台帳と位置記録を照合して回収順を決めます。病棟と回収時刻を相談し、点検の完了は管理台帳に残します。位置追跡が点検業務を代わりに行うわけではありません。
IV. 探索と準備の時間を別々に見る
代表的な機器群から試し、依頼から位置確認まで、返却から準備完了までの時間、記録と実物の状態不一致を確認します。同じ種類の機器と近い依頼件数で比較します。
V. 返却後の一台を、次の担当者までつなぐ
例えば、共用の輸液ポンプが午後に病棟から機器管理室へ戻った場面を考えます。位置情報は管理室を示していても、返却受付だけが済み、準備作業は残っているかもしれません。この時点で「使用可能」とすると、依頼した病棟はすぐに受け取れると考えてしまいます。「返却確認」「準備中」を区別し、残っている作業、担当者、次の確認予定を記録します。
状態の更新時刻と確認の根拠も必要です。前日の「使用可能」が、その後の貸出や点検対象への変更を反映していない場合があります。更新が古い、または申し送りが欠けている機器は「状態未確認」として担当部署に確認します。未検知の機器も直ちに紛失と判断せず、最後の検知記録、タグと資産番号の対応、現場の検知条件を確認します。
VI. 一つの機器群で返却から貸出までを試す
まず、複数病棟で共用する機器群を選び、依頼、回収、準備、引渡しの流れを整理します。病棟側は使用状況と返却予定、回収担当は受領、準備・点検担当は必要な作業の完了を記録します。使用可能の判断は院内で承認された手順と担当者の確認に従います。
申し送りでは、機器番号、最終検知場所と時刻、準備状況、未完了の作業、次の担当者をまとめます。患者情報を加えず、機器運用に必要な記録から整えることができます。試行中は「見つかったが準備未完了」「使用可能の記録に再確認が必要」「回収時刻が未定」という例外を分けて検討します。追加購入を考える前に、どの工程で待ち時間が生じているかを把握できます。
機器を探し、状態を確認して必要な部署へ渡せることが運用の目標です。機器台帳と返却・点検手順を整理し、ORBROと導入範囲を検討してください。